ある晩のことである。
たぶん夜中の3時過ぎだったと思うのだが、物音がして目が覚めた。
暗闇の中目をこらしてみても、もちろん何も見る事ができない。
しばらく目を天井の方角に固定したまま、目が覚めた原因を探るべく、暗闇にじっと息をひそめる。
病み上がりで少し頭がぼーっとしている。喉もヒリヒリと焼け付いたように痛い。
呼吸をする度に胸の奥のほうがひーひーと音を立て、暗闇に静かに響き渡る。
それ以外には何も聞こえない。
暗闇の中で目をあけていると、徐々に目がなれてきて、周りの景色が見えてくる。
が、その日に限って目の前にはいつまでたっても何の景色も浮かび上がってこない。
ただひたすらの黒。黒の世界。黒という何もない物体の連続。
一瞬、自分がまだ寝ているのではないかと思うのだが、この喉の痛みが夢だとは思えない。
結局自分が目覚めてしまったのは、単に自分のいびきで起きてしまったんじゃないかという結論に達した。
再び目を閉じて眠ろうとするのだが、一度意識がはっきりしてしまうと、なかなか眠りにつくことができない。余計なことは考えないでおこうと思えば思うほど、頭の中には次から次へとくだらない想像が浮かび上がっては消え、そしてまた浮かび上がってくる。
羊を数えようと思っても、その羊がいちいち悩み事を書いたメモを口にくわえて飛びまくるものだから、
気がつけば頭の中はメモだらけになっていく。
頼むからそのメモを食べてくれよ羊。ああ、紙を食うのは山羊だっけ。いや、どっちでもいいしどうでもいいこの際。羊だろうが山羊だろうが、俺を眠りにつかせる努力を、職務をまっとうしておくれ。
頭の中で必死に懇願してみるが、所詮は自分の頭の中での出来事、一人相撲である。
ドン
・・・・・・・・。
再び音が聞こえた。この音だ。はっきりと部屋に響き渡った。
ベッドから飛び起きる。まだ僕の周りは暗闇で包まれている。
カーテンを開けて外の光を入れようと思ってみたが、暗闇のどこに手をのばしてもカーテンをつかむことができない。手が空をむなしくかいている。
何かがおかしい
全身の毛穴という毛穴から汗が噴出し始める。
とにかく立ち上がろう、そう思うのだが、布団の重みで身動きがとれない。
布団の重み?そんな馬鹿な。布団がこんなに重いはずがない。
はぎとらなきゃ。布団を。布団をはぎとらなきゃ。
僕は思いっきり両手で布団をつかんだ。
そして、何者かと目があった。
どこまでも暗い闇の瞳と。
次に目が覚めてみると、いつもの見慣れた部屋に僕は横になっていた。
全身、汗でびっしょりだった。
う〜〜〜〜体調悪すぎ・・・・・
まだ治ってません。てか、ひどくなってる・・・・。
でも、今日は芝居を観なければいけないのです・・・(*´д`*)
風邪ひきました・・・・
やはり寒すぎたか・・・